
BeRealの企業活用事例と運用のポイント|「作り込まないSNS」でブランドはどう成果を出すのか
SNSマーケティング・企業活用
BeRealの企業活用事例と運用のポイント|「作り込まないSNS」でブランドはどう成果を出すのか
BeRealは、完成度の高い広告クリエイティブを見せる従来型SNSとは異なり、日常の一瞬や舞台裏を共有する文化が強いSNSです。企業活用では、単に新しいSNSへ投稿先を増やすのではなく、プラットフォーム固有の「リアルさ」に合わせて情報の見せ方を変えることが重要になります。
この記事でわかること
- BeRealがほかのSNSと異なるポイント
- 企業・ブランドが活用する際の考え方
- 海外ブランドの実在する活用事例
- 成果につながりやすいコンテンツ設計
- 企業が運用前に確認しておきたい注意点
BeRealとは?企業が押さえておきたい特徴
BeRealは、ユーザーの日常をより自然な状態で共有することを軸にしたSNSです。一般的なSNSでは、投稿前に撮影・加工・編集を重ね、もっとも見栄えの良い状態を公開することが珍しくありません。一方、BeRealでは日常の瞬間をそのまま切り取る体験がサービスの核となっています。
企業にとって重要なのは、「新しい投稿フォーマットが増えた」と捉えるのではなく、ユーザーがSNSに求める価値そのものが異なる点です。洗練された広告だけではなく、ブランドの舞台裏や社員の日常、商品のある自然な生活など、従来は広告素材として扱われにくかった場面にも価値が生まれます。
日常性
完成された広告よりも、普段の様子や自然な瞬間との相性が高い傾向があります。
舞台裏
撮影現場、店舗、イベント準備、社内など、表側では見えない情報をコンテンツ化できます。
距離の近さ
企業からユーザーへの一方的な告知ではなく、人の存在を感じる発信が重要になります。
なぜ企業のSNS活用でBeRealが注目されるのか
企業SNSでは長年、クリエイティブの品質や投稿頻度、インフルエンサー活用などが重要視されてきました。しかし、各社のSNSコンテンツが高度化するほど、ユーザー側から見ると「広告らしい投稿」が増えやすくなります。
BeRealでは、この方向性をそのまま持ち込むよりも、ブランドの生活感や人間味を見せる発想が有効です。商品を大きく見せることより、「その商品がどんな日常に存在するのか」を見せるほうがプラットフォームの文化になじみやすいケースがあります。
企業活用で重要なのは「広告を弱くする」ことではありません。
伝えたいメッセージは維持しながら、そのSNSで自然に受け入れられる見せ方へ変換することがポイントです。これはBeRealに限らず、複数SNSを運用する際にも重要な考え方です。
企業・ブランドのBeReal活用事例
ここからは、実際にBeRealを活用した企業事例を見ていきます。共通しているのは、従来型広告をそのまま移植するのではなく、BeReal固有の体験や表現に合わせてクリエイティブを調整している点です。
Levi’s|既存素材を「日常の瞬間」に再設計
Levi’sは、BeReal上で大規模なライフスタイルキャンペーンを実施しました。公式ケーススタディによると、既存のキャンペーン素材を、日常の自然な場面に見えるようBeRealのフィードへ適応させています。
640万
インプレッション
230万
ユニークリーチ
1.57%超
CTR
公式発表では、20歳未満ではCTRが1.82%まで上昇し、広告想起は5ポイント増加しました。注目すべきなのは、商品そのものを強く押し出すのではなく、ブランドを「日常のライフスタイルの一部」として見せた点です。
Lipton|前後カメラの仕組み自体をクリエイティブに活用
Lipton Ice Tea Sparklingのキャンペーンでは、BeReal特有のフロントカメラとリアカメラを同時に見せる体験を広告表現へ組み込んでいます。画面の一方からもう一方へ手を伸ばして商品を取るように見せる視覚的な仕掛けを採用し、媒体そのものの特徴をクリエイティブへ変換しました。
1,030万
インプレッション
+11pt
広告想起
+5pt
購入意向
15秒動画の完了率は8%とされており、クリエイティブを別媒体から流用するだけでなく、そのSNS特有の操作感や画面構成まで企画に組み込む重要性がわかります。
出典:BeReal公式発表
McDonald’s|短期間の話題化と継続露出を組み合わせる
McDonald’sは限定メニューのプロモーションで、短期間に集中的な露出をつくる施策と、その後の継続的な露出を組み合わせました。公式ケーススタディでは、2日間の大規模展開に続いて約3週間の継続配信を行っています。
3,400万インプレッション
単発投稿ではなく、イベント性のある初動と継続接触を組み合わせる設計が特徴です。
新商品や期間限定イベントのように「今知ってほしい」テーマでは、日常的な投稿だけでなく、一時的に接触量を増やす施策と組み合わせる方法も考えられます。
Swiss Post|媒体に合わせた素材調整でCTRが改善
Swiss Postの事例では、最初は既存キャンペーン素材をBeReal向けに調整し、その後、より自然な人物写真を使ったクリエイティブへ改善しています。訴求内容やCTAを大きく変えず、見た目をプラットフォームの文化へ寄せたことがポイントです。
公式ケーススタディでは、2回目の展開でCTRが初回の約3倍となり、全体では450万インプレッション、CTR1.11%を記録したとされています。
事例から見えるBeReal企業活用の共通点
企業事例を比較すると、成果につながっている施策にはいくつかの共通点があります。
01広告素材をそのまま転載しない
同じメッセージでも、写真の雰囲気や人物の見せ方を媒体に合わせるだけでユーザーの受け止め方が変わります。
02商品より「商品がある瞬間」を見せる
商品写真だけで完結させず、誰が、どこで、どのように使っているかまで含めると、日常性を表現しやすくなります。
03媒体固有の機能から企画を考える
Liptonのように、前後カメラなどサービス特有の仕組みそのものをアイデアの起点にすると、他SNSの広告との差別化につながります。
04短期施策と継続運用を分けて考える
新商品発売やイベントでは瞬間的なリーチが重要ですが、ブランド理解を深めるには継続的な接触も必要です。目的ごとに投稿と広告の役割を分ける考え方が有効です。
BeRealで企業が投稿しやすいコンテンツ例
BeRealでは、毎回大規模な撮影や編集を行う必要はありません。むしろ、日常的に存在する情報をコンテンツとして見つけることが重要です。
| テーマ | 投稿内容の例 |
|---|---|
| 社内・舞台裏 | 撮影準備、会議、商品の梱包、イベント設営、休憩中の様子 |
| 商品・サービス | 実際に商品を使用している場面、店頭での提供シーン、制作途中 |
| イベント | 開催直前、会場到着、出演前後、撤収中などのリアルタイム性がある場面 |
| 社員・スタッフ | 担当者の一日、仕事風景、出張、店舗スタッフの日常 |
| ブランドのある生活 | 商品単体ではなく、利用シーン全体を自然に切り取る |
BeRealを単独運用するより、複数SNSで役割を分ける
企業SNSでは、すべての媒体へ同じ投稿を配信する運用よりも、それぞれのSNSで役割を分けるほうが効果的な場合があります。
たとえば、短尺動画では発見を狙い、検索されやすい媒体ではノウハウを蓄積し、BeRealでは日常や舞台裏を見せる、といった設計です。同じブランドでも、媒体によって見せる角度を変えることで、ユーザーとの接点を増やせます。
このようにSNSを横断して設計すると、1媒体のアルゴリズムや流行に依存しにくくなります。投稿素材も、完全なコピペではなく各媒体向けに再編集することで、制作工数を抑えながら媒体特性を活かしやすくなります。
企業がBeRealを始める前に決めておきたいこと
1.何を「リアル」として見せるのか
日常を見せるといっても、企業が公開できる情報には限界があります。社内、店舗、工場、イベント、商品開発など、どの範囲まで発信できるのかを事前に決めておく必要があります。
2.投稿できない情報を明確にする
モニターや資料に機密情報が写り込む、顧客や社員が意図せず映る、発売前の商品が見えるといったリスクがあります。自然な投稿を重視する媒体ほど、公開前の最低限のチェックルールは欠かせません。
3.他SNSとの役割を整理する
BeRealだけで集客・検索・比較検討・購入までのすべてを担わせる必要はありません。認知、信頼形成、検索、商品理解など、各SNSの得意分野を整理すると運用目的が明確になります。
4.「映える投稿」に戻さない
企業アカウントではブランドイメージを守ろうとするほど、写真を作り込みたくなります。しかし、完成度を上げすぎることで、その媒体らしさを失う場合があります。ブランド基準を守りながら、あえて作り込みすぎないバランスが必要です。
BeReal運用で見るべき指標
SNS運用ではフォロワー数だけを成果指標にすると、実際のブランド効果を判断しにくくなります。目的に応じて複数の指標を確認することが重要です。
リーチ・表示回数
どの程度のユーザーへ接触できたかを確認します。
クリック率
広告や外部導線への反応を見る際に活用します。
広告想起
接触後にブランドや広告が記憶されているかを見る指標です。
購入意向・ブランド好意
認知だけでなく、態度変容につながったかを確認します。
BeReal活用が向いている企業
BeRealはすべての企業に必須のSNSではありません。特に相性を検討しやすいのは、商品やサービスの背景に人や現場があり、その過程自体がコンテンツになる企業です。
- 若年層との接点を増やしたい企業
- 店舗、イベント、施設などリアルな現場を持つ企業
- 社員やスタッフの人柄がブランド価値につながる企業
- 商品が利用される生活シーンを見せやすい企業
- 既存SNSとは異なるブランド接点をつくりたい企業
反対に、発信可能な現場や日常がほとんどなく、すべての投稿を厳密な事前承認で管理する必要がある場合は、運用体制との相性を慎重に確認したほうがよいでしょう。
まとめ|BeRealでは「広告を作る」より「ブランドの日常を切り取る」発想が重要
BeRealの企業活用では、きれいなクリエイティブを大量に制作することだけが正解ではありません。実在する企業事例を見ると、成果を出しているブランドほど、媒体固有の文化や画面構成を理解し、既存のブランド表現を自然な形へ変換しています。
特に重要なのは、商品そのものだけではなく、商品が使われている瞬間、働いている人、イベントの舞台裏などをブランド資産として捉えることです。
また、BeRealだけですべてを完結させるのではなく、複数のSNSをそれぞれの特性に応じて使い分けることで、認知、検索、信頼形成、比較検討までをより立体的に設計できます。SNS運用では「どの媒体を使うか」以上に、「各媒体で何を見せるか」が成果を左右するポイントになっています。
※掲載している数値は各社・BeReal公式ケーススタディ等で公開されたキャンペーン実績です。広告成果は実施時期、地域、ターゲット、広告フォーマット、クリエイティブなどによって異なります。





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