SNS利用者数の読み方主要媒体の比較と、企業の選び方

SNS利用者数の読み方|主要媒体の比較と、企業の選び方【2026年9月】

SNSマーケティング / 媒体選び

SNS利用者数の読み方
主要媒体の比較と、企業の選び方

情報確認日:

企業がSNSを選ぶとき、利用者数は市場の大きさを知る手掛かりになります。ただし、人数の多さだけで、自社の商品が売れやすい媒体や、継続して運用できる媒体が決まるわけではありません。

判断の基本は「どれだけ使われているか」「何をするために使われているか」「自社が何を届けられるか」の3点です。利用者数の定義をそろえたうえで、顧客の利用場面と運用体制を重ねると、優先すべき媒体が見えてきます。

国内の主要6サービスを同じ調査で比べると、利用率はLINE、YouTube、Instagram、X、TikTok、Facebookの順です。まずは比較可能な利用率を確認し、その後に各社が公表する利用者数の読み方を整理します。

国内主要SNSの利用率を比較

総務省が2026年6月26日に公表した「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」では、主要サービスの利用率は次のとおりです。ここでの利用率は、調査対象者のうち、そのサービスを利用している人の割合を表します。

主要6サービスの利用率(調査対象者全体)
サービス 利用率
LINE92.9%
YouTube81.5%
Instagram54.8%
X(旧Twitter)44.7%
TikTok36.7%
Facebook27.0%

対象:13〜79歳の男女1,800人。調査期間:2025年12月1日〜7日。調査方法:訪問留置調査。出典:総務省「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」公表資料。

この表から分かるのは、同じ調査対象における各サービスの利用の広がりです。「日本の総人口の何%が毎月使っているか」や「企業の投稿が何人に届くか」を示す数字ではありません。

また、複数のサービスを併用する人が含まれます。各媒体の割合を足しても、SNS利用者全体の割合にはなりません。年代別の違いを見る場合も、同じ調査の年代別集計で比較する必要があります。

公式の利用者数を読むときの注意点

各社の公表値は、利用規模を把握するためのもう一つの材料です。ただし、発表時期や集計範囲が異なるため、同じ条件で測定したランキングとして扱うことはできません。

LINE:国内月間アクティブユーザー数1億人

LINEヤフーの公式資料には、2026年3月末時点の国内月間アクティブユーザー数として1億人が掲載されています。

出典:LINEヤフー広告 公式サービスページ。

TikTok:国内月間利用者数4,950万人

TikTokの公式発表では、2026年5月末時点で4,950万人。これはTikTokとTikTok Liteの利用者を合算し、重複を除いた数字です。TikTok単体の利用者数として扱わないことが重要です。

出典:TikTok for Business公式ブログ(2026年8月19日)。

MAU・利用率・広告リーチは、それぞれ別の指標

月間アクティブユーザー数(MAU)
1か月の間に利用したユーザーやアカウントの規模を表します。「利用」とみなす条件、集計対象、複数アプリ間の重複処理は、公表元の定義を確認します。
調査による利用率
アンケートなどの対象者に占める利用者の割合です。調査対象の年齢や質問内容に影響されるため、総人口を掛けて公式のMAUへ置き換えることはできません。
広告の推定リーチ
地域・年齢などの配信条件に応じて、広告が届く可能性のある対象の推計です。サービス全体の利用者数や、自然投稿で実際に届く人数とは異なります。
累計登録者数
これまでに登録したユーザーやアカウントの累計です。最近使っていない登録者を含む場合があり、月間利用者数とは分けて扱います。

社内資料に数字を載せるときは、「数値・指標名・対象地域・対象時点・集計範囲」を一組にする。発表記事が新しくても、その中で紹介されている数値の対象時点まで新しいとは限りません。

7媒体の特徴と企業での使い分け

媒体選びでは、人数に加えて「閲覧中の人がどのような情報を求めているか」を考えます。以下は、各媒体の発信形式を企業の用途に当てはめた運用上の目安です。

LINE:継続接点と再来店の情報を届ける

LINE公式アカウントでは、友だち追加した人へのメッセージやチャットを、顧客との継続的な接点として設計できます。購入後の案内、予約に関する連絡、店舗からのお知らせなど、関係ができた後のコミュニケーションが主な検討用途です。

利用者全体の規模と、自社アカウントの配信対象は別です。配信内容だけでなく、どの接点で友だち追加につながるかも設計する必要があります。

YouTube:商品理解と比較検討を支える

操作方法、導入までの流れ、専門知識の解説など、文章だけでは伝えにくい情報を動画で説明する用途が考えられます。短い動画で関心をつくる発信と、まとまった説明で疑問を解消する発信を組み合わせられます。

映像の完成度に加え、視聴者が知りたい疑問へ答えられているかが大切です。再生数だけでなく、視聴維持や関連ページへの移動も評価対象になります。

Instagram:商品の魅力と使う場面を伝える

写真や動画を使い、デザイン、質感、使い方、利用シーンを見せる用途に向きます。商品単体の紹介に加えて、選び方や手入れの方法など、購入前後の疑問に答える内容も組み立てられます。

見た目の統一だけに偏らず、投稿を見た人がプロフィールや商品情報に進んだかまで確認すると、改善するポイントが明確になります。

X:速報と会話を軸に接点をつくる

短い告知、イベント中の発信、利用者とのやり取りなど、情報の鮮度や会話を生かす用途が考えられます。反応に応じて追加情報を伝える運用とも相性があります。

発信の速さを生かすには、投稿の承認手順や返信の担当範囲を整理する必要があります。話題になった量と、商品への関心が深まった量は分けて評価します。

TikTok:動画を通じて新しい関心を生む

実演、検証、作業の過程、短い解説など、見て理解できる内容を組み立てる用途が考えられます。商品の特徴を説明するだけでなく、視聴者の疑問や驚きを起点にした見せ方も検討できます。

再生数が伸びた動画でも、見ている人と想定顧客が一致するとは限りません。視聴者の反応、プロフィールへの移動、商品への質問を合わせて確認します。

Facebook:企業情報や継続的な活動を伝える

企業としての取り組み、イベント報告、担当者の知見など、背景も含めた情報発信の候補になります。取引先や既存顧客との接点がある場合は、その関係に沿った運用を考えやすくなります。

BtoBという理由だけで優先するのではなく、実際の顧客が利用しているか、発信内容が読まれるかを確かめることが必要です。

Threads:言葉と対話で関心を深める

テキストを中心に、ものづくりの考え方や日々の気づきなどを発信し、返信を通じて対話を重ねる用途が考えられます。商品説明だけでは伝えきれない背景を言葉にする媒体として検討できます。

国内での規模を判断する際に、世界全体の利用者数をそのまま使うことはできません。自社と関連する話題の量や反応、会話を続けられる体制も判断材料になります。

自社に合うSNSを選ぶ判断軸

候補となる媒体が複数あるときは、次の4点で整理すると優先順位をつけやすくなります。

  1. 届けたい顧客がいるか
    年齢だけでなく、関心、地域、購入までの情報収集の仕方を確認します。全体の利用率が高くても、自社が届けたい層との接点が薄ければ優先度は下がります。
  2. 目的に合った情報を届けられるか
    新商品を知ってもらうのか、比較検討を助けるのか、再購入を促す情報を届けるのか。目的によって、必要な投稿形式や接点は変わります。
  3. 無理なく続けられる素材と担当者がいるか
    撮影できる商品、説明できる専門家、文章化できる顧客の疑問などを洗い出します。制作だけでなく、確認・返信・集計に使う時間も含めて考えます。
  4. 成果と改善点を確認できるか
    認知が目的なら到達、理解が目的なら視聴や保存、購入検討が目的なら商品ページへの移動など、目的に合う指標を決めます。

少人数の運用では、媒体を増やす前に役割を決める

一度に多くの媒体を開設すると、制作と確認の負担が増え、改善する時間が足りなくなりがちです。主に発信する媒体と、問い合わせや再来店などの継続接点を担う媒体を分ける考え方もあります。

社内だけで制作が回らない場合は、撮影・編集・分析など、負担の大きい工程を外部の専門家と分担する方法もあります。投稿本数を増やすだけでなく、顧客理解や改善の知見が社内に残る体制にすると、運用を続けやすくなります。

利用者数を運用成果につなげる考え方

市場全体の利用者数は、媒体を選ぶための情報です。運用が始まったら、自社の発信がどのような反応や行動につながったかへ、評価の軸を移します。

目的と評価指標の対応
目的 確認する指標・反応
認知を広げるリーチ、動画視聴、想定顧客への到達
理解を深める視聴維持、保存、内容に関する質問
検討を進めるプロフィール閲覧、商品ページへの移動、問い合わせ
継続利用につなげる再訪、再予約、リピート購入、配信への反応

取得できる指標や名称は媒体・アカウント・計測設定によって異なります。予約や売上などの事業成果は、自社サイトや顧客管理側の記録と合わせて確認します。

異なる媒体の「再生数」をそのまま比べない

同じ名前の指標でも、カウント条件が異なる場合があります。まずは同じ媒体の中で、同じ集計期間・同じ投稿形式をそろえて比較します。広告配信した投稿と自然投稿も、条件を分けると判断しやすくなります。

また、投稿直後と公開から時間がたった投稿では、数値が積み上がる期間も異なります。公開後の同じ経過日数で見比べ、内容の違いと配信条件の違いを切り分けることが、次の改善につながります。

SNS利用者数についてよくある疑問

日本で最も利用されているSNSは?

本記事で扱う主要6サービスを総務省の令和7年度調査の利用率で比較すると、LINEが92.9%で最も高くなっています。ただし、これは13〜79歳の調査対象者における利用率であり、全サービスの同時点のMAUを比較した結果ではありません。

利用者数が多い媒体なら、企業の投稿も届きやすい?

利用者数だけでは判断できません。発信内容と顧客の関心が合っているか、閲覧される接点があるか、配信や広告をどう設計するかによって、自社の投稿が届く範囲は変わります。

若い世代を狙うなら、媒体を一つに絞ってよい?

年齢だけで決めると、利用目的の違いを見落とす可能性があります。同じ人でも、娯楽、情報収集、比較検討、連絡で媒体を使い分けます。顧客が商品を知る場面と、購入を判断する場面の両方を考えることが大切です。

世界のユーザー数は国内施策にも使える?

サービス全体の規模を把握する材料にはなりますが、国内の配信対象を見積もる根拠としては不十分です。国内向けの施策では、日本のデータと対象顧客の利用実態を優先します。海外向けの場合も、進出先の国・地域のデータが必要です。

利用規模と顧客の行動を重ねて、媒体を選ぶ

SNSの利用者数を比較するときは、数字の大きさと一緒に、何を、いつ、どこまで数えた数字なのかを確認する必要があります。同じ条件の利用率で全体像をつかみ、各社の公表値で規模を補い、顧客の利用目的に合わせて媒体の役割を決めることが基本です。

自社に合うSNSは、顧客がいて、伝えるべき内容があり、改善を続けられる媒体です。市場の大きさを入口にしながら、運用では自社の発信が生んだ行動を確かめる。その積み重ねが、無理のない継続と成果につながります。

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